お知らせ Information

2024.06.23 産科

RSウイルスワクチン(アブリスボ®)について

2024年5月31日に、RSウイルスに対する母子免疫ワクチン「アブリスボ®筋注用」が発売になりました。

 

RSウイルスとは?

RSウイルスは、2歳頃までにはほとんどのお子さんがかかる感染症ですが、生後半年以内に感染するとしばしば重症化し、喘息症状を引き起こしたり、入院や集中的な治療が必要になったりすることが知られています。

 

アブリスボ®とは?

アブリスボ®を妊婦さんに接種すると、およそ2週間で、妊婦さんの体の中にRSウイルスに対する抗体(ウイルスなどに対する抵抗力)が作られ、その抗体が胎盤を通してお腹の赤ちゃんに移行します。赤ちゃんに移行した抗体は、感染による重症化を引き起こしやすい生後半年程度の間、RSウイルス感染症の重症化を予防してくれます。

妊娠24週から36週の間に接種の適応がありますが、臨床実験では、妊娠28週から36週の間の摂取でより有効性が高くなるとされており、発症を50%程度、重症化を80%程度予防します。

 

副作用や安全性は?

臨床試験(3000人程度に接種)で、ワクチンを投与しなかったグループと比較して、接種部位の痛み、頭痛、発熱以外、有意な差を認めませんでした。
アメリカやEUでは2023年8月より承認され、使用が開始されていますが、目立った有害事象の報告はありません。

 

接種の時期・費用は?

妊娠28週~36週の妊婦さんに1回、筋肉内注射します。(当院では妊娠32週〜34週での接種をお勧めしております。)

 

健診時に接種を行うことができます。

スムーズな接種のため、受診時や電話連絡などによる事前の予約をお願いいたします。

費用は34,000円(税込)です。