妊婦健診 Prenatal Checkup
お母さんの健康と赤ちゃんの発育を
しっかりと見守ります。
ご妊娠がわかったら、継続的に健診をお受けください。毎回、検尿・血圧測定・超音波測定が行われ、必要やご希望に応じてその他の検査が追加されます。初診の際は、健康保険証とナプキンをお持ちください。
◯ 健診の間隔
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● 23週までは4週に1回
● 24週から35週までは2週に1回
● 36週以降出産までは1週に1回
◯ 胎児スクリーニング・4Dエコーについて
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当クリニックでは、GE Healthcare社の超音波Voluson E10を使用して、妊娠20週前後・妊娠30週前後の健診時に胎児スクリーニング検査をおこない、出生直後に状態が悪化するような重症疾患の発見につとめています。
赤ちゃんの胎位によりますが、可能であれば健診毎に4Dエコーを行い、写真をお渡ししています。
◯ 母子免疫ワクチンについて
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● アブリスボ®(RSウイルスワクチン)について
2024年5月31日に、RSウイルスに対する母子免疫ワクチン「アブリスボ®筋注用」が発売になりました。
● RSウイルスとは
RSウイルスは、2歳頃までにはほとんどのお子さんがかかる感染症ですが、生後半年以内に感染するとしばしば重症化し、喘息症状を引き起こしたり、入院や集中的な治療が必要になったりすることが知られています。
● アブリスボ®とは
アブリスボ®を妊婦さんに接種すると、およそ2週間で、妊婦さんの体の中にRSウイルスに対する抗体(ウイルスなどに対する抵抗力)が作られ、その抗体が胎盤を通してお腹の赤ちゃんに移行します。赤ちゃんに移行した抗体は、感染による重症化を引き起こしやすい生後半年程度の間、RSウイルス感染症の重症化を予防してくれます。
妊娠24週から36週の間に接種の適応がありますが、臨床実験では、妊娠28週から36週の間の摂取でより有効性が高くなるとされており、発症を50%程度、重症化を80%程度予防します。
● 副作用や安全性
臨床試験(3000人程度に接種)で、ワクチンを投与しなかったグループと比較して、接種部位の痛み、頭痛、発熱以外、有意な差を認めませんでした。
アメリカやEUでは2023年8月より承認され、使用が開始されていますが、目立った有害事象の報告はありません。
● 接種の時期・費用
妊娠28週~36週の妊婦さんに1回、筋肉内注射します。(当クリニックでは妊娠32週〜34週での接種をお勧めしております)
健診時に接種を行うことができます。
スムーズな接種のため、受診時や電話連絡などによる事前の予約をお願いいたします。
費用は34,000円(税込)です。
● トリビック®️(百日咳・破傷風・ジフテリアの三種混合ワクチン)について
百日咳は、激しい咳が何週間も続く感染症です。赤ちゃんに対しては生後2ヶ月から百日咳の定期予防接種が開始されるため、生後3ヶ月からは赤ちゃんの体の中で免疫力が作られます。
しかし、免疫力がない生後3ヶ月までの赤ちゃんが感染すると、肺炎・呼吸困難・無呼吸・突然死などの原因となる、恐ろしい感染症です。
妊娠後期にトリビック®を接種することで、お母さんの体で作られた抗体(免疫力)が、胎盤を通じて赤ちゃんに移行し、生後すぐから赤ちゃんの百日咳に対する感染リスクを下げてくれます。(母子免疫)。
● 副作用や安全性
成人に対するトリビック®の注射により、注射部位の腫れ、赤み、痛みなどの局所反応が比較的高頻度で見られます。
● 接種の時期・費用
妊娠28週~36週の妊婦さんに1回注射します。お母さんの体の中で抗体がつくられるまでに4週間程度かかるため、妊娠28週から32週頃までの投与をお勧めいたします。
健診時に接種を行うことができます。
スムーズな接種のため、受診時や電話連絡などによる事前の予約をお願いいたします。
費用は5,000円(税込)です。