無痛分娩 Painless Childbirth

症例経験豊富な麻酔科医でもある院長が
無痛分娩を提供いたします。

当クリニックでは、できる限り痛みをとりのぞいた快適なお産をめざし、硬膜外麻酔を用いた無痛分娩を行っています。妊娠8週~10週の診察で、赤ちゃんの大きさから分娩予定を決定し、妊娠38週頃を目安に計画無痛分娩を行います。

無痛分娩をご希望の方には、初産婦の方、経産婦の方共に、行なっております。

ご希望の方は、分娩予定日が決まりしだいお早めに院長にご相談ください。

また、もともと自然分娩希望で途中から鎮痛を希望した方、血圧の高い方、分娩進行に著しく時間がかかっている方などに対しても、可能な限り無痛分娩の対応をしております。適宜ご相談ください。陣痛はいつ開始するかわかりません。そのため、無痛分娩を計画していた日程より前に、陣痛が始まることもあります。そのような場合にも可能な限り無痛分娩の対応をしてまいりますが、院長の不在時や人員が不足している場合などでは、安全面を考慮し、無痛分娩を行うことができない場合があります。

出産の痛みを緩和させる方法はいくつかありますが、世界的に広く使われているのが硬膜外麻酔を使用した方法です。背骨の中にある硬膜外腔という場所に細くて柔らかいカテーテルを挿入し、間欠的・持続的に必要な分だけ局所麻酔薬を注入します。

当クリニックでは、無痛分娩マニュアル、無痛分娩看護マニュアルを作成し、分娩に関連した急変時の体制、危機対応シミュレーションを年に1回実施しています。

◯ 計画無痛分娩の場合

計画無痛分娩をご希望の方は、あらかじめ院長とご相談いただいた入院日に来院いただきます。入院日の14時に、直接3階病棟へおこしください。入院当日から出産翌日まで、シャワー浴ができません。必ずご自宅でシャワーを済ませてからおこしください。
入院後、麻酔のカテーテルを挿入します。その後、子宮口が硬い場合は子宮口を柔らかくする処置を行います。麻酔下で行うため痛みはありません。
入院翌日早朝より十分に麻酔を行い、分娩誘発を開始します。多くの場合、分娩誘発1日目に出産となりますが、2日目に出産となる場合もあります。

◯ 無痛分娩の長所

  • 分娩に伴う痛みが大幅に改善されます。
  • 体力温存による産後の早期回復が期待されます。
  • 痛みを感じないことで母体の呼吸状態が安定し、赤ちゃんへの良い影響が期待されます。
  • 分娩後処置の安全性が向上します。
  • 妊娠高血圧症の方では、分娩の痛みによる血圧上昇を抑えることができます。
  • 帝王切開での分娩に切り替わった場合も、多くの場合麻酔薬を追加することで速やかに手術が行えます。

◯ 無痛分娩の短所


起こりうる副作用や不具合

  • 麻酔により、足に力が入りにくくなります。お一人での歩行は避けてください。
  • いきみが弱くなったりすることがありますが適切に指導いたしますので、みなさんいきむことができるようになります。
  • 血圧が下がり、お母さんの気分が悪くなることがありますが、点滴により通常はすみやかに改善します。
  • 麻酔中、尿を出しにくくなることがありますので、膀胱にカテーテルを留置します。麻酔が効いている状態で行いますので痛みはありません。
  • 10%程度の方に発熱を認めることがありますが、解熱剤の使用で改善します。
  • 初めて分娩する方では平均で約1時間、2回目以降の分娩の方では、平均で約30分程度分娩にかかる時間が長くなるといわれています。
  • 効果不良・脱落 等により硬膜外麻酔の入れ替えが必要になることがあります。(5%程度)
  • 無痛分娩では、普通分娩と比較して吸引分娩・鉗子分娩が必要になる可能性が10%程度上がります。(分娩方法が帝王切開にかわる可能性は普通分娩のときと変わりません)
  • 穿刺により硬膜が傷つき、頭痛を起こす方が、0.1~1%程度いるとされています。

ごく稀に起こる不具合
(50,000分の1~250,000分の1程度)

  • カテーテルが血管の中に迷入し、硬膜外腔に注入されるはずの麻酔薬が血管の中に注入されてしまうことで、局所麻酔薬中毒(麻酔薬の血中濃度が高くなってしまうことによる症状)が起こることがあります。初期の症状として耳鳴りや舌のしびれ(金属の味を感じるなど)、重症では不整脈やけいれんを起こしたりすることがあります。症状を感じた場合はスタッフにお声がけしてください。硬膜外麻酔を入れ替えるなど適切な対処をとります。初期症状のうちにお声がけいただければ、重症となることはありませんのでご安心ください。万が一重症化した場合には、治療薬の投与や人工呼吸など、適切な処置を行います。
  • 文献的には、穿刺により硬膜外腔に血のかたまりや膿のたまりができ、一時的もしくは永久的な神経の障害(知覚異常、下半身麻痺など)が起こることがあると報告されています。
  • 文献的には、カテーテルが硬膜外腔の奥にある脊髄クモ膜下腔に入り、全脊髄クモ膜下麻酔となることがあると報告されています。この場合、血圧が急激に下がったり、呼吸ができなくなったり、意識を失ったりすることがあります。万が一発生した場合には、人工呼吸をはじめとする適切な処置を行います。

◯ 無痛分娩の費用


当クリニックで無痛分娩を行った場合は、麻酔開始のタイミング、分娩終了までの時間、分娩方法に関係なく(帝王切開分娩に変更となった場合も含む)、分娩費用に15万円が加算されます。(15万円のうち10万円が都から助成されます。)都からの助成は、2025年10月頃からを予定しております。

● 無痛分娩管理者・麻酔担当医
真島 実

  • 経歴
    平成18年 日本大学医学部卒業、聖路加国際病院 産婦人科コース初期研修医・後期専門研修医
    平成24年 聖路加国際病院 女性総合診療部、麻酔科
    平成28年 東京都立大塚病院 産婦人科、麻酔科
    平成29年 真島クリニック
    平成31年 真島クリニック理事長・院長就任

Webサイト更新日時:2025年3月17日