先進医療 Advanced Medical Care
保険適応された治療と併用して自費で実施できる医療です。当クリニックで実施可能な先進医療は以下の通りです。
- タイムラプス撮像法による受精卵・胚培養
- 膜構造を用いた生理学的精子選択術
- 子宮内膜刺激法(SEET法)
- 子宮内膜受容能検査(ERA)
- 子宮内細菌叢検査(EMMA, ALICE)
- 子宮内膜擦過術(子宮内膜スクラッチ)
「先進医療」に係る費用の一部は、東京都及び足立区からの助成対象となります。他の自治体でも助成制度を利用できる場合がありますので、自治体HP等からご確認ください。
〇 タイムラプスインキュベーターを用いた胚の培養
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● インキュベーター
患者さまの胚(受精卵)を育てる培養器のことです。内部は子宮の中と同じような環境(温度37.0°C、酸素5%、二酸化炭素5~6%)に整えられています。
● タイムラプスインキュベーター
インキュベーターに顕微鏡とカメラが内蔵されており、培養している胚を一定時間(当院では10分)おきに撮影できる最新の培養器です。撮影した画像をつなぎあわせて、モニターで動画として見ることができます。
● 従来型インキュベーターでの観察
インキュベーターから胚を取り出して、顕微鏡下で観察していました。インキュベーターの外は胚にとって居心地のよい環境ではありません。温度や光、pHなどの変化による胚へのストレスを抑えるため、観察の回数を減らすことで極力インキュベーターの外に出さないようにしていました。
- 胚によっては受精の兆候を見逃す場合がありました。
- 胚が分割していく流れを観察できないため、その異常を見つけることができませんでした。
● タイムラプスインキュベーターを用いた観察
内蔵されたカメラが10分おきに胚を自動で撮影するため、インキュベーターから胚を取り出さずに観察することが出来ます。環境変化が少ないため胚にとって居心地のよい状態を維持できます。
- 受精の兆候を見逃すことなく、精度の高い受精判定が可能になりました。
- 分割の過程やスピードなど、従来の方法では分かりえなかった多くの情報を得られるようになりました。 これらは移植に適した胚を選択するための貴重な情報となります。
